【アコギ必読】カポタストとチューニング ジュン【長文コラム!】

ギターはカポタストを使えばキー変更が簡単にできるので、同じコードポジション・ボイシングで弾きたい時や、ローコードを多用する弾き語りで歌に合わせてキー変更をしたい時など、非常に便利ですね^ ^

ただ、気づいている方も多いかもしれませんが、カポタストを取り付けるとチューニングが少し規定よりズレてしまうんです。

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例えば、レギュラーチューニングで2フレットにカポをつけた時、

6弦はE→F♯、5弦はA→B、といったように、丁度1音綺麗に上がるのが本来望まれますが、実際カポを取り付けてみると1音+数セント上がってしまいます。

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カポをつけた弦を上から見ればわかると思うのですが、弦がカポに強く押されて沈み込んでいますね。
この沈み込みの分だけ、弦にかかる張力が増していくので、これが原因でチューニングが上へとズレるのです。
よって、カポを強く締めるほどこのズレは大きくなります。

因みにこれはカポでなく指で抑えた場合も同じで、思いっきり強い力で弦を押して弾くと少し高い音が出ます。
指板方向にチョーキングしているイメージですね。

カポの種類にもよりますが、大抵はカポをつけた全ての弦の音が等しく上がるので、アコギ1本弾き語り等ではあまり気にならないかもしれません。
ただ、他の楽器や音楽に合わせて弾くとやはりチューニングの狂いを感じてしまいます。

解決法としては、

1.カポをつけてからチューニングをし直す

2.弦をサウンドホールの内側から引っ張る

の2つが挙げられます。

1つ目は真っ先に浮かびそうな解決法ですね。

個人的には2つ目の方が手っ取り早いですし、後から狂い難いのでお勧めです。

やり方は、親指を弦の下(サウンドホール側)に差し込んで1本ずつ外側へグイグイっと2、3回引っ張るだけです。

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音を出しつつ、チューナーを見ながら音が合うまで引っ張りましょう。

この方法の簡単な仕組みですが、
ナット以降のヘッド側で巻かれている弦は基本的に、ある程度張力的な"余裕"や"遊び"があります。

なので、フレット側の弦を引っ張ることによって余裕のあるヘッド側から弦を引き出してフレット側の張力を下げることができるのです。

これによって高くズレたチューニングを直しているわけですね。

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この仕組みさえ分かれば当たり前かもしれませんが、方法2も方法1と同様に、カポを外した後はつける前よりチューニングが下がっているので、続けて弾く場合はしっかりとチューニングし直しておきましょう。

因みに、実は普段のカポなしでのチューニングの際も、同じ様に弦を引っ張ってから調整すると後からチューニングが狂い難くなるんです。

そもそも演奏中にチューニングが狂う原因の多くはヘッド側の巻弦に張力的な余裕(たるみ)が残されてしまっていることにあるので、
引っ張ることでその余裕を最小限に→弾きながらフレット側の張力が落ちないようになる→チューニングがズレない!

という感じでズレ難くなるんです^ ^

これでもチューニングがズレまくる!

という場合は、弦が古くなっている可能性が高いです...!

すぐに新品の弦に交換しましょう^ ^


以上、カポタストとチューニングのお話でした!
引っ張り調整、是非実践してみて下さい!